浮き葉的余生に

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zoom RSS ひよっこ

<<   作成日時 : 2017/04/15 17:38   >>

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山笑ふ我も微笑む衣干して    美代子


 NHKの朝ドラ 「ひよっこ」が始まった。母の実家は同じ茨城でももっと千葉よりかなと思う。太平洋の荒波が寄せるところだ。茨城弁が懐かしくて毎日見ている。茨城は東京とそれほど離れていないのに、訛りが酷いのでNHKの朝ドラには向かないと思っていた。きっと演じる人たちも苦労しているに違いない。

 子どものころ、よく叔父たちに言葉の意味を訊ねた。「だっぺ」 ってなに? という具合に、中、高校生だった叔父たちを困らせた。「だっぺはだっぺだっぺよ」 という具合に適当に応えてくれた。笑。

 栃木県も場所によってはかなりの訛りがある。宇都宮弁は独特のイントネーションがあり、そこで育った私。名古屋時代、近所の人とおしゃべりしていて、「あれ?宇都宮の出身ですか?」とズバリ当てて驚かれたことがある。同じ町内に宇都宮出身の人が二人もいたので実に驚いたものだ。一言喋ればすぐに分かってしまう。お国言葉とはいいものだ。

 私がまだ幼いころはよくこの母の田舎に入り浸っていた。田舎の生活が素晴らし過ぎて、町の生活に戻る気にはなれなかったのだ。朝は、鶏の声で目が覚める。台所に行くと、おばあさんが 「美代子、小屋で卵を取ってきてけれ」という。

 「いいよぉ〜」 と言って私は玄関を飛び出す。鶏小屋には常時50羽くらいの鶏がいて、毎日、十個以上の卵を産む。生みたての卵はまだ暖かくて、殻が柔らかい。それを宝石のように手に載せて持ってくるのだ。叔父たちの朝ごはんは、この生たまごのぶっかけごはんと沢庵とみそ汁だ。当然私も同じものを食べるのだが、お米がとびきり美味しいのと、沢庵がまた絶品。みそ汁のみそは辛口だったが、これも実に味の良い手前味噌だった。「美代子はおんちゃんたちと同じくれえ食べるど。相撲取りにでもなるんけ」と笑われた。

 ある日、入ってはダメと言われていた客間を覗いたら、畳が一枚浮いている。あれ?と思って、中にそッと入ってみると、何と、裏の竹林の竹が地下を通って部屋の下まできて、畳の間から伸びていたのだ。竹は延びるのが早い。あっという間に天井まで届いた。

 祖母に言うと「全く家には男手が余るほどあるのに、誰も伐ってくれないだよ」と言って、「誰か早く伐ってけろ。屋根を破ってしまうど」と大声を出した。二番目の叔父がのこぎりを持ってきて伐り始めたのだが、畳を上げての大騒動になってしまったようだ。こんなことが年中あった。

 祖母が叔父たちに 「暇があるなら筍掘って売りに言げば、小遣い稼ぎになるだよ」 と言うが、叔父たちは 「こわい(疲れる)からやだ」と言って掘ろうともしない。結果、竹林が山のようにこんもりとなってしまい、竹が道路を覆っていた。

 それなら私が掘ってやると言って竹林に入ったのだが、竹の根っこだらけで歩くことも出来ない。すぐに帰って来て、「やっぱり、やだ」と言ったら叔父たちが 「そうだっぺ〜」と言って大笑いした。

 あの茨城の家はもうない。先日、長女であった我が母が老衰で亡くなり、親兄弟も死に絶えた。みんな夢だったのかと思う。今の季節は、浜まで15分ほど歩いていくと、大きなハマグリが山ほど取れるのだが、誰も行かないのが不思議だった。ハマグリは砂が多いのでみそ汁には向かないといって、皆が嫌うのだ。素晴らしい経験だった。


 

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
 学校では、方言でしゃべることにすればいいように思いますがね。東京では、全国の方言が聞けるようになればいいのですが。それが本当の豊かさではないでしょうか。みなが皆の方言を認め、愛し関心を持つ、これぞ人間を楽しむということです。
 茨城の何市なのですか、お母様の実家は。弟は常陸大宮に住んでいます。姓は八角ですが、養子に行ったようなものなんです。マスオさん状態です。何度かゆきましたが、常磐線は一味違います。都市化していない首都圏です。
スキップ
2017/04/15 23:45
 スキップさん、母の実家は、茨城県、鹿島郡だったと思いますが、今は名前が変っているでしょう。あの、鹿島アントラーズがあるところではないかと思いますが・・・テレビのひよっこよりはもっと草深い田園という印象です。そういえば、近所にあの明石家さんまさんの別荘が建ったと聞きましたが、離婚されてからは滅多に姿を見なくなったとのことでした。笑。何時の間にか別荘地になっていたんですね。笑。今は都内からのリタイア組が土地に住み着いているようです。家督を継いだ母の弟も、その息子二人ももう亡くなり、実家はもう完全に跡形もなく消えてしまいました。資産は次男がフィリッピンパブで使い果たしたとか。笑。ろくでなしな従弟でした。借家の一軒は私が貰えるはずでしたが、この次男である従弟に売られてしまい、天国まで喧嘩しに行こうかと思いました。笑。
美代子
2017/04/16 01:16
「そうだんべぇ」「ごじゃっぺこくでねえ」「あぁこわい」「かんべんしろ」今ではニセの都会育ち気取りで話はするものの同期生との会話になると往時のアクセントになって来る。
子供のころを思い出しました。寂聴師が檀家のこぼし話を聞いて「私があの世に行ったとき話をつけてやる」と。
美代子先生の生い立ちなど伺えて余韻が残る文章でした。桜が散り始めました。老化は駆け足でやって来ます。自然の移り変わりよりはるかに早いようです。
さすらいの、、、
2017/04/16 10:08
 さすらいさん、お元気のご様子で何よりです。でも油断されませぬように。。。私はつい油断をしては風邪をひいてます。老化のスピードは速いですね。二階から降りるとき、段々怖くなりました。笑。チョット躓いたら、ゴロゴロ、ポッキンとなりそうで。笑。
 名古屋弁も強烈ですよ。町のあちこちに 「ひちや」という看板があって、名古屋はおひつを使う人が多いんだと感心してましたが、質屋の事だったと知ってびっくり。「用意する」ことを、「まわしする」というんですが、ある人が「まわしした?」と訊いたらもう一人の人が「とっくにしたがね」というので、名古屋の人はみんな、まわしをしてるんだと真剣に思ってました。笑。方言は実に風情がありますね。宇都宮ではバカなやつを「デレ助」っていうんですが、北のあの人こそこれだと思います。まったくどうなるんでしょうね。荷物をまとめておこうと思ってます。笑。
美代子
2017/04/16 11:41

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