後日談?

占ひ師の素敵な嘘よ花八分   美代子

来世は鳥になりましよ桜東風



 今は新入生のアルコール事故についてはあまり聞かなくなったが、息子が大学生になる以前からこのアルコールによる若者の事故が増え、名古屋の大学では急性アルコール中毒によって死亡する事件があり問題になっていた。

 どこの大学でも同じように「新歓パーティ」があり、先輩や仲間が悪進めをするのだ。自分の限界を知らない若者が、勧められるままに面白半分で飲み、急性の中毒で命を落とす事件が相次いでいた。

 私は息子を病院に運んでくれた救急隊にお礼とお詫びの電話を入れた。「あ~、あの大学ね。毎年、出ますよ」「え?大事に至らなかったんですか」「いや、いつかは出るでしょうが、我々は忠告するような立場ではなく、要請があれば行くということなので・・・」

 息子に聞けば、寮では毎晩酒盛りをしていると言うではないか。酒に付いていけない生徒はすでに寮を出たという。「寮での長い伝統のようなもので、こうして先輩たちも酒を覚えて卒業していったんだろうね」などと言う。これはいかんと思った私は、寮の責任者となっている教授に電話をした。

 「彼らはまだ大人になり切っていない若者で、暴走しやすいので飲酒について一言、仰って頂けませんか」と言うと「何で私がそんなことを言わねばならんのだ。彼らが飲もうが死のうが私とは無関係だ。自分で判断出来ないような人間はどうなっても仕方がない」というような冷たい返事が返ってきた。その時、ふっと不吉な予感がした。いつかきっと死亡事故が起きるぞと。

 私は帰省した息子にいった。「もし、新入生が入ってきて、先輩となったあんた達が新歓パーティで酒を無理やり飲ませ、そしてもし、その人が死亡するようなことがあったら、あんたを殺して私も死ぬからね」と。息子は「分かった、わかった」とうるさそうに言った。その後のことは知る由もないが、派手な酒盛りはさすがになくなったようだ。

 息子が卒業して何年経ったころだろうか。何気なく新聞を開いたら、息子がいた大学の同じ寮で同じアルコール中毒で死亡した学生がいた。私は飛び上がるほどびっくりして、しばらく呆然としたあと、涙が止まらなくなった。当人もさることながら、息子さんの将来に希望を託していたご両親は今どんな思いで居るだろうか。他人事ではないのだ。こんなバカな伝統を守って、生徒の将来を奪ってどするのだ。寮の伝統だといっても、こんなくだらない伝統はいらない。

 今、コロナ禍で夜の酒場も客離れで経営が大変らしいが、私は言いたい。酒は所詮「きちがい水」である。酒に頼りたいときがあるのはよく分かるが、程度を知らない若者に酒を提供する場は必要なのだろうか。毎日の一杯なら健康にもよいとも聞くし、わきまえた酒なら何もいうつもりはない。しかし、酒は飲み続けると量が増えて、結局は病気の巣窟になってしまう。若死にをした人を何人も見てきた。この機会に、アルコールの是非についてよく考えたいと思う。酒は体だけではなく、魂までボロにしてしまうようだ。家の中にアルコール中毒者がいると、家庭は真っ暗である。酒に狂った亡夫は、みじめな最期だった。




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この記事へのコメント

henokaapa
2021年03月19日 14:01
 私はアルコールアレルギーなので酒のウマさどころか酒の味すらわからないので、何であんな不味いモノを呑むのか、酒飲みの気持ちが分かりません、ところが大人になるにつれ酒を飲むことが実はいかに社会の中でオイシイ思いにつながるか、思い知るようになり、その一つが女性にモテるには酒を呑めて羽目を外せることが第一条件だということを知るようになり、日本社会のこの狂った習慣は酒から来ていることを思い知り、それが大学や会社の独身寮での狂ったような酒飲み習慣が生まれ、その上で度胸試しや飲酒運転の歴史が生まれたと思っています。つまり酒に強い奴ほど女にも強い、というふうな社会風習が出来たのではないかと、ハハ。つまらないことで社会の上下を決めたがるこの国のオトコ達、悪習が世界に今鳴り響いています、オリンピックを巡る不祥事などは全部そういう習慣から生まれているように思いますね。
美代子
2021年03月19日 17:38
 昔から日本では、なんにでも酒が付いて回りますよね。確かに、人間関係がスムースになり、その場を和ませることも出来ますが、日本の場合は、ちょっと行きすぎてますよね。夜の繁華街など歩くと、あっちこっちに酔いつぶれた人が倒れていたりします。これは本当に日本の恥だと思います。外国だったら逮捕されますからね。会社でハードな仕事をしていれば、ストレスもたまるし、たまには酔いつぶれたい気持ちも理解出来ますが、やはりもう誰もが一度考え直す必要がありますね。酔っ払いは何をしても許される風潮がありますが、事故にも繋がりますしね。昔、夜の新宿をたまたま姉と歩いていたとき、あっちこっちに酔いつぶれて寝ている人がいるのを発見したんです。寒い夜で、氷雨が降ってたんですよ。それで、「おじさん、風邪引くよ」と言って起こして歩いていたら、姉が「みっともない」と怒って先に帰ってしまいました。( ´艸`) 女スリに間違えられるというんですよ。ああ、そんな商売もあったんだと目からうろこ?でしたが。
 このコロナ禍の中で、酒に対する考え方を変える時期に来ているような気がします。食事しながら、一杯,二杯と言うのはいいですが、店をはしごするのに何の意味があるんでしょうね。
 気が付いたら、朝、植え込みの中で寝ていたという女優さんがよくいますが、そんなのに憧れないでほしいですよ。てば。」
ハイジママ
2021年03月21日 20:03
うちの長男は 東大の駒寮に入りましたから やはり 同じようにお酒の大歓迎会が有ったようです。

ゲボゲボして お布団をダメにしてしまい 又 購入したそうです。

あの頃は 誰もが受けた洗礼でしたね。

次男も 同じように医学部の連中からお酒の洗礼を受けました。

誕生日には、マックをどれだけ食べられるか?という洗礼も ありました。バカな事ばかり やるのが青春なのでしょうか?

親から見たら 子の健康が心配ですから 許される習慣ではありませんね。
美代子
2021年03月21日 21:30
 ハイジさんの息子さんも寮暮らしをされてたんですか。

 あの頃はどこでもアルコールの洗礼を受けさせる伝統行事?みたいなのがありましたが、さすがにもう時代に合わないのかあまり聞かなくなりましたね。

事故が起きても懲りないのではどうにもなりません。お酒について、皆が一考してほしいと思います。

コロナ後は、世の中がかなり変化するような気がします。葬儀なども簡素化が進むでしょうね。

ある意味では皆が賢くなる? コロナではいろんなことを学ばされましたね。